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CREALは現物不動産投資に近づいた|続く瞬殺に違和感

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CREALは6月に不動産特定共同事業の3号、4号の許可を取得し、SPC型の案件を出せるようになりました。

8月にSPC型第1号の案件を出してから3カ月が経ちましたが、SPC型が出る前と変わらぬ人気です。

募集額が20億円を超える大型案件が数分で完売する状況に、僕はいささか違和感を覚えています。

タロウさん
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この記事の著者
投資家・ブロガー
タロウ

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディング専門の投資家です。
2018年にソシャレン・クラファン投資を始め、これまで500件を超える案件に3億円以上を投資し損失ゼロ。
安全性を最重視した投資情報を発信しています。

CREALのSPC型化の問題点

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CREALがSPC型に

今年の8月募集分からCREALの案件はすべてSPC型に変わっています。

以下の用語の意味が分からないという方は、この先を読んでも理解できません。

  • 不特3号、4号事業
  • SPC型
  • 倒産隔離
  • 融資併用型

プチ解説 案件とは?

 

先にこちらの記事を読んでください。

CREALがSPC型導入へ|投資家へのメリットには疑問が
不動産クラウドファンディングのCREALにSPC型の案件が導入されます。運営会社のクリアルには大きなメリットがあるものの、投資家へのメリットには疑問が。クリアルの狙いと投資家への影響を考察します。

 

投資家のデメリット

SPC型に変わったことで、CREALの案件には大きく2つのデメリットが生じています。

 

劣後出資がゼロ

従来のCREALの案件には優先劣後出資の仕組みがありました。

この仕組みがCREALのSPC型案件ではなくなり、劣後出資はゼロです。

このため、投資対象物件の価値が1円でも下がれば、投資家は元本毀損になります。

プチ解説 優先劣後出資とは?

プチ解説 元本毀損とは?

左野くん
左野くん

劣後出資に守ってもらえない。

CREALのSPC型案件で劣後出資がなくなっただけで、SPC型案件でも劣後出資を付けることは可能です。LEVECHYなどSPC型案件で劣後出資を付けている業者もあります。

 

運用期間の長期化

SPC型に変わったのに合わせて、運用期間が3年に長期化されました。

市況の変化などの変動リスクを3年先まで投資家が背負うことになっています。

プチ解説 運用期間とは?

 

投資家のメリットへの疑問

CREALはSPC型に変わったことによるメリットを訴求していますが、これにはいささか疑問です。

 

倒産隔離による安全性の向上

SPC型は倒産隔離が働くので、クリアルが倒産した場合のリスクが下がるとしています。

しかしそもそもの話として、東証グロース上場企業で業績好調なクリアルが倒産する可能性自体が限りなくゼロです。

ありえないリスクを前提に、リスクが下がると言われても…

右田さん
右田さん

誰も倒産すると思ってないよね。

 

融資併用で利回りアップ

また、融資を併用することでレバレッジ効果が働き大きな利回りアップが得られるとしていますが。

SPC型でなくても融資併用は可能です。

大家どっとこむみらファンなど非SPC型の業者でも、融資併用型の案件は出ています。

さらにSPC型になって利回りは1%しか上がっていません。

1%で「大きな」利回りアップというのは、いささか無理があるのではないでしょうか。

プチ解説 業者とは?

左野くん
左野くん

プチアップだよね。

 

クリアルのためのSPC型

そもそも、SPC型はクリアルが自社のために行った施策です。

 

オフバランス化で財務改善

さきほど紹介した記事で詳しく解説していますが。

CREALがSPC型導入へ|投資家へのメリットには疑問が
不動産クラウドファンディングのCREALにSPC型の案件が導入されます。運営会社のクリアルには大きなメリットがあるものの、投資家へのメリットには疑問が。クリアルの狙いと投資家への影響を考察します。

 

バランスシートから投資対象物件の資産などを外すことで、財務が改善されます。

自己資本比率を向上させることが、SPC型化の最大の狙いでした。

 

募集規模の拡大

SPC型では投資対象はSPCが所有する不動産です。

投資判断においてクリアル社の信用と切り離されるため、法人投資家や機関投資家の参入が期待できるようになります。

大きな資金が入ることで、案件の規模=投資対象物件の規模を拡大できることもSPC型化の狙いです。

 

早期の利益計上

不動産クラファンの案件を運用することで、業者は案件組成などの手数料を得ることができます。

ただ、それらが得られるのは運用が終了したあと、つまり1年後、2年後でした。

SPC型ではクリアルがSPCから業務委託を受ける形を取るので、案件を組成した時点で業務報酬として手数料を得られます。

非SPC型よりもはるかに早い段階で利益を計上できるということです。

プチ解説 組成とは?

 

投資家にとってもプラス

これらはクリアルの経営にとってプラスですが、同時にCREALで投資する投資家にとってもプラスです。

倒産しかけの業者で投資なんてしたくないですよね?

この点でSPC型化は決して悪いことではありません。

ただ、SPC型になることでCREALに大きな変化が生じているのです。

右田さん
右田さん

どんな?

 

CREALの性質が大きく変わった

現物不動産投資に近づいた

SPC型化によってCREALの案件は次のようなスキームになりました。

  1. 銀行から融資を引く
  2. 物件を取得し長期運用
  3. レバレッジを効かせて大きなリターン
  4. 以上に伴うリスクをダイレクトに受ける

 

これってまんま現物不動産投資だと思いませんか?

SPC型になったことで、CREALは現物不動産投資に近づいたと僕は感じます。

問題は4のリスクダイレクトです。

 

リスクへのバッファがなくなった

現物不動産投資では不動産価格の変動や空室といったリスクがあります。

SPC型になる前は、これらのリスクを劣後出資が吸収してくれました。

一定範囲内のリスクはクリアルがかぶってくれる形です。

しかし、SPC型で劣後出資がなくなったことで、投資家がリスクをダイレクトに受けることになっています。

これがSPC型化によるCREALの大きな変化です。

左野くん
左野くん

リスクがモロに来る…

 

リスクに気づかずに投資していないか?

以前のほうが良かった

もちろん、CREALのSPC型化を一概に悪いと言うつもりはありません。

クリアルの財務が改善され事業がより活発化し、経営状態がより良くなることは、CREALで投資する投資家にとって間違いなくプラスです。

繰り返しになりますが、つぶれかけの業者で投資なんて怖くてできませんから。

また、リスクが上がっただけではなく、リターンも上がっています。

右田さん
右田さん

メリットもある。

 

問題はリターンの上昇が利回り1%であることです。

劣後ゼロでリスクダイレクト、運用3年、それでアップは1%。

僕はリスクテイクに見合わないと思います。

劣後あり、運用1年で利回り5%のほうが良かったです。

 

瞬殺に違和感

それゆえ、20億円を超える募集が数分で埋まるCREALの現状に違和感を覚えます。

背負うリスクが増えたこと、現物不動産投資に近づいたことに、投資家は気づいているのか?

以前と変わらず「CREALだから大丈夫♪」で投資していないか?

モヤッとした気持ちで瞬殺を眺めています。

タロウさん
タロウさん

これで良いのか…

 

コメント

  1. ロドリゲス より:

    こんばんは
    去年の9月入口はポイ活からだったんですが
    蔵前ステーションホテル案件に投資してました
    2年のところ約1年で早期償還されましたが
    財産管理報告書を見たら案件より約8億上乗せで売却してクリアル大儲けしてますね

    投資家には予定通りの5%分配
    まぁ投資した会社が儲かってることはいいことだと思いますが
    ちょっとくらいアップサイドしてくれてもいいんじゃないとも思います

    思ったところと方向性も変わってきてるし
    償還まで長いし前入金だしGMOじゃないし
    ここは卒業します

    業界の雄としてこれからも頑張ってほしいとは思ってますが
    やっぱぼくはらくたまとかナインがいいですね

    • タロウ タロウ より:

      こんにちは~
      予定通り5%もらえたから良かったのでは?ただ、モヤッとする気持ちは分かります笑
      業者が変わっていくことはありますので、これまでお世話になりましたで卒業でも良いのではないでしょうか。