ソシャレン、不動産クラファンで蓄電池案件が増えています。
高利回りで人気ですがリスクも高いです。
蓄電池案件が増えている背景と、蓄電池案件のリスクと対策を解説します。

ハイリスク・ハイリターンです!
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タップできる目次
蓄電池案件増加の背景とリスク

系統用蓄電池とは?
蓄電池案件を理解するには、まず“系統用”蓄電池の理解が必要です。
プチ解説 案件とは?
系統用蓄電池は発電所併設の蓄電池とは別物
太陽光など再エネ系の発電所には蓄電池が併設されています。
発電した電気が余った時に蓄電し、足りない時に放電する。
これは蓄電池ではありますが、系統用蓄電池はこれとは別物です。

そうなんだ!
電力系統とは?
そもそも、系統用蓄電池の「系統」とは何か?
発電所から家庭などに電気を送る。
この「発電から配電までの一連のシステム」のことを電力系統といいます。

系統用蓄電池は、この電力系統のための蓄電池です。

なんで必要なの?
電力系統と需給バランス
電力系統では需要と供給が一致することが必要です。
このバランスが崩れると、電圧の乱れや大規模停電につながります。


「供給量=使用量」じゃないとダメ。
再エネ発電が需給バランスを崩す
ここで問題になるのが太陽光発電などの再エネ発電です。
再エネ発電は天候などで発電量が変動します。
このため、発電しすぎたり足りなかったりで、需給バランスを崩してしまうのです。

これまでの需給バランスの調整方法と問題点
この需給バランスのズレをこれまでは火力発電の出力増減で調整してきました。
しかし、政府は脱炭素のため火力発電は縮小の方針です。

もう一つの方法として、再エネ発電の出力抑制でも需給バランスの調整を行っています。
でもこれって、発電できる電気を捨てているようなもので、もったいないですよね?


せっかく発電できるのに。
系統用蓄電池で需給バランスを調整
そこで新たな方法として登場したのが、系統用蓄電池を使った需給バランスの調整です。
電力系統全体で電気が余っているときは、蓄電して供給を減らす。

逆に、電気が足りないときは放電して供給を増やす。

系統用蓄電池を使って電力系統全体の需給バランスの調整を行うのです。
系統用蓄電池は電力システムを維持する社会インフラ
再エネ発電所に併設された蓄電池は、その発電所単体の需給バランスを調整するだけです。
電力系統に接続されていないので、全体のバランス調整には使えません。

これに対して系統用蓄電池は、電力系統に接続され、電力システム全体の需給バランスの調整を行います。
系統用蓄電池は電力システムを維持するための社会インフラなのです。


社会全体のために必要だと。
そしてこのことが、蓄電池案件増加の遠因でもあります。
系統用蓄電池事業への参入業者増加の背景
ソシャレン、不動産クラファンで蓄電池案件が増えているのは、系統用蓄電池事業に参入する業者が増えているからです。
増加の背景を解説します。
系統用蓄電池事業への参入業者が急増
系統用蓄電池事業に参入する業者はどれくらい増えているのか?
資源エネルギー庁によると、東京電力など電力会社への系統用蓄電池の接続申請が、2024年は前年の3倍に急増しています。

なんで増えてるの?
再エネ拡大には系統用蓄電池の拡充が必要
急増の理由は政府の方針にあります。
政府は脱炭素実現のため、再エネ発電をさらに拡大する方針です。

しかし、再エネ拡大には1つ大きな問題があります。
それは、再エネを増やせば増やすほど、電力系統の需給バランスのズレが大きくなることです。

バランスのズレが大きくなると、より大きなバランス調整機能が必要。
バランスのズレが3倍になると、系統用蓄電池も3倍必要になる。
つまり、再エネ拡大には系統用蓄電池の拡充が不可欠なのです。


再エネを増やすために、系統用蓄電池を増やすのか!
とは言え、政府が自前で系統用蓄電池を増やすわけにもいきません。
そこで求められるのが、系統用蓄電池事業への民間事業者の参入促進です。
系統用蓄電池事業への参入を政府が促進
参入促進のために政府は2つのことを行ってきました。
まず、系統用蓄電池で儲ける場としては主に3つの市場があります。
これらの市場を整備することで事業者が儲けやすくしました。
- 卸電力市場
- 需給調整市場
- 容量市場

もう一つの促進策は補助金です。
令和6年度予算では400億円が計上されました。
系統用蓄電池事業が新たな投資対象に
政府の方針と促進策により、系統用蓄電池が儲かる事業になった。
このため、新たな投資対象として系統用蓄電池事業に参入する民間事業者が増えているのです。

新たな儲け話ってことか。
蓄電池案件増加の背景
では、系統用蓄電池事業に参入する事業者が増えると、なぜ蓄電池案件が増えるのでしょうか?
系統用蓄電池の開発には多額の資金が必要
土地の取得から蓄電池の設置など、系統用蓄電池の開発には多額の資金が必要です。
三菱総研によると、蓄電池や電力変換装置の調達、工事費などで、設置コストは1kWhあたり6.8万円かかります。(2024年)
仮に5MWhの規模だと3.4億円、この他に土地代なども必要です。

そんなにかかるんだ!
ソシャレン・不動産クラファンで開発資金を調達
この費用を民間事業者が自社でまかなえれば良いのですが。
まかなえない場合、銀行から融資を受けることになります。
しかし、辺鄙な場所が多い蓄電所の土地の担保だけで、設備費や工事費まですべての資金の融資を受けるのは無理でしょう。
だから、ソシャレン・不動産クラファンで資金調達するのです。
プチ解説 担保とは?

銀行が無理だから代わりに!
蓄電池案件のリスク
ここからは蓄電池案件のリスクについて考えます。
蓄電池案件の例
ソシャレン、不動産クラファンではどのような蓄電池案件があるのか、いくつか例を紹介します。
FUNDI、ヤマワケエステート

FUNDIとヤマワケエステートの蓄電池案件は、土地の取得から蓄電池の導入、設置など蓄電所の開発までを投資対象とするものです。
- 土地を取得
- 蓄電所を開発
- 蓄電池事業の運営希望者に売却

フルで関与するわけだ。
らくたま

らくたまの蓄電池案件は蓄電所用の土地の転売だけです。
蓄電所の開発などは行いません。
- 土地を取得
- 蓄電所開発業者に売却

CAPIMA

CAPIMAはソシャレン業者ですが蓄電池案件があります。
蓄電池開発業者の資産を担保に開発資金を融資する案件です。
開発資金を貸すだけで、蓄電所の開発には一切関与しません。

不動産クラファンの蓄電池案件はリスクが高い
不動産クラファンの蓄電池案件の多くは、投資家から集めた資金で土地を取得し設備を導入し蓄電所を開発します。
そして完成した蓄電所を売却して利益を得るのですが、売れなかった場合、残るのは蓄電池などの設備と安い土地だけです。
まず間違いなく元本毀損になるでしょう。
この点で不動産クラファンの蓄電池案件はリスクが高いです。
プチ解説 元本毀損とは?
蓄電池案件はソシャレンのほうが低リスク
では、ソシャレンの蓄電池案件はどうでしょうか?
ソシャレンでは蓄電所の開発業者の資産を担保に資金を貸し、業者はその資金で蓄電所を開発します。

完成した蓄電所が売れなかった場合、ソシャレン業者は担保を売って資金を回収し、投資家に元本を返すことができます。
蓄電池案件はソシャレンのほうがリスクが低いです。
不動産クラファン蓄電池案件はリスク対策が必要
とは言え、担保にする資産がないから開発業者は不動産クラファンで資金調達をするわけで。
これからも不動産クラファンで蓄電池案件は出てくるでしょう。

また、リスクテイクするからハイリターンが得られるわけで。
リスクテイクして高利回りを狙う投資家向けの選択肢として、不動産クラファンの蓄電池案件はあっても良いと思います。
ただ、リスクへの対策は必要です。

何をすれば?
蓄電池案件のリスクへの対策
リスク低減策が取られているか?
不動産クラファンの蓄電池案件では、蓄電所が売れないことが最大のリスクとなります。

そこで大切なのが、売却リスクへの低減策が取られているかです。
FUNDIとヤマワケエステートの案件では、次のような低減策が取られました。
- FUNDI
- 売買契約済み
- 買取保証
- ヤマワケエステート
- 売買契約済み
- 蓄電池設備に担保設定
リスク低減策は有効に機能するか?
ただし、リスク低減策が取られていればそれでOKというわけではありません。
実際、FUNDIでは売買契約、買取保証ともに機能せず、長期の償還遅延に陥っています。
リスク低減策が有効に機能するかの検討も必要です。
ソシャレン再エネ案件の二の舞に警戒を
蓄電池案件がソーシャルレンディングの再エネ案件の二の舞にならないか、警戒が必要ではないでしょうか?
蓄電池案件はソシャレン再エネ案件と同じ構図
蓄電池案件が増えている背景をまとめると次のようになります。
- 政府が系統用蓄電池を推進
- 系統用蓄電池が新たな投資対象に
- 参入業者が増加するも多額の資金が必要
- ソシャレン、不動産クラファンで資金調達
系統用蓄電池が儲かる事業として急浮上した。
そこで、ソシャレン、不動産クラファンで資金調達ということです。
実はこれ、2018年前後に多く募集されたソシャレンの再エネ案件とまったく同じ構図です。
- 政府が太陽光など再エネ発電を推進
- 再エネ発電が新たな投資対象に
- 参入業者が増加するも多額の資金が必要
- ソシャレンで資金調達
ソシャレン再エネ案件では100億円を超える被害が発生
ソシャレンの再エネ案件では一儲けを狙う良からぬ業者が紛れていました。
このため、グリーンインフラレンディングでは100億円を超える被害が発生。
クラウドバンクでは今も多くの案件が延滞中です。

蓄電池案件は警戒感を持って投資判断を
蓄電池案件でも良からぬ業者が紛れ込む可能性がゼロとは言えません。
その場合、多くの投資家が百万円単位の被害に遭った悲劇が再現されるでしょう。
蓄電池案件では高利回りばかりが注目されます。
しかし、利回りに振り回されず警戒感を持って投資判断をする必要があるのではないでしょうか?

投資の失敗を防ぐためです!



















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