わかちあいファンドの大樹案件、東近江案件でトラブル発生。
個別案件のトラブルで済むはずだったのに、情報発信の失敗で業者としての信頼を失うことになってしまいました。
何が問題であったのか検証します。

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わかちあいファンドの情報発信を検証

大樹・東近江案件の概要と経緯
今回トラブルが発生した旧軽井沢大樹の森案件(大樹案件)と東近江ウイング案件(東近江案件)の概要と経緯を解説します。
プチ解説 案件とは?
大樹案件の概要

大樹案件は軽井沢に別荘を新築し売却するキャピタルゲイン型の案件です。
これまでに1~6期の6案件が募集され、1期は運用が終了しています。
2~5期は4回に分けて行われた建築資金の調達案件です。
| 案件 | 優先出資 | 劣後出資 | 融資 | 融出資総額 |
|---|---|---|---|---|
| 1期 | 1億6,500万円 | 1,800万円 | 1億6,700万円 | 3億5,000万円 |
| 2期 | 2億6,500万円 | 5,000万円 | 1億6,700万円 | 8億2,500万円 |
| 3期 | 1億円 | 1,000万円 | ||
| 4期 | 1億円 | 1,000万円 | ||
| 5期 | 1億1,800万円 | 500万円 | ||
| 6期 | 5億8,300万円 | 5,000万円 | 1億5,030万円 | 7億8,330万円 |
※ 5期の優先出資1億1,800万円には2期の劣後出資の譲渡分5,000万円を含む
プチ解説 キャピタルゲイン型とは?
プチ解説 運用とは?
プチ解説 優先、劣後出資とは?
5期の募集ページでは以下のように5期で売却が完了し運用が終了すると思わせる内容が書かれていました。
- 今回が最終の第Ⅴ期の募集
- 屋根工事が終了し内装工事の段階
- すでに引き合いがあり竣工前の売却で償還時期が1~2カ月早まる可能性
しかし、6期の募集ページでは「2025年竣工の予定が2026年7月に延期」とされており、工事が終わらず竣工前の売却もできなかったことが分かります。
6期の募集額が2~5期の募集額の合計と同じであることから、6期は2~5期の再組成案件であることは明らかです。
| 案件 | 優先出資 |
|---|---|
| 2期 | 2億6,500万円 |
| 3期 | 1億円 |
| 4期 | 1億円 |
| 5期 | 1億1,800万円 |
| 合計 | 5億8,300万円 |
| 6期 | 5億8,300万円 |
プチ解説 組成とは?
6期で投資家から集めた資金で2~5期の償還を行うものであり、実質的に2~5期が運用期間延長になったと見なして良いでしょう。
プチ解説 償還とは?
大樹案件のその後
大樹6期は2026年2月26日に募集を開始しました。
しかし募集額の半分程度しか集まらず、3月31日に募集期間の1カ月延長を発表。
その2週間後の4月15日には大樹2~5期の分配が4月30日に遅れることが出資者に連絡されました。
大樹6期は4月28日に応募率62%で募集を終了し不成立に。
同日、大樹2~5期の分配と償還が遅延になる見通しと出資者に連絡が行われました。
大樹6期が集まらなかったことで2~5期の分配と償還が遅れたということです。
プチ解説 分配とは?
プチ解説 出資とは?
プチ解説 遅延とは?

ズタボロだ…
東近江案件の概要

東近江案件はⅠとⅡの2つの案件からなっており、集めた資金でマンション2棟を取得します。
賃料を分配し1年ごとに再組成、再募集を繰り返すインカムゲイン型の案件です。
| 案件 | 優先出資 | 劣後出資 | 融資 | 融出資総額 |
|---|---|---|---|---|
| Ⅰ-1期 | 2億1,160万円 | 2,640万円 | 5億8,200万円 | 10億5,800万円 |
| Ⅱ-1期 | 2億1,150万円 | 2,650万円 | ||
| 1期合計 | 4億2,310万円 | 5,290万円 | 5億8,200万円 | 10億5,800万円 |
| Ⅰ-2期 | 2億1,160万円 | 3,800万円 | 5億5,420万円 | 10億5,800万円 |
| Ⅱ-2期 | 2億1,150万円 | 4,270万円 | ||
| 2期合計 | 4億2,310万円 | 8,070万円 | 5億5,420万円 | 10億5,800万円 |
Ⅰ-1期は2026年4月30日、Ⅱ-1期は5月31日に運用を終了します。
そこで、Ⅰ-2期とⅡ-2期を募集し、各1期分の償還にあてる予定でした。
1期の募集時に「10年以上の長期運用を目指す、投資家は1年ごとに区切りあるファンドに10年以上投資が可能」との説明がありましたので、これに沿ったものです。

グルグル回すわけね。
東近江案件のその後
Ⅰ-2期は4月13日に募集を開始しましたが集まらず。
募集期間を4月30日までから5月31日までに1カ月延長しましたが、現在も半分しか集まっていません。
ⅠとⅡはセットですので、ⅠがコケるならばⅡもコケます。
このため、Ⅱ-2期は募集を断念。
その後、Ⅱ-1期の運用期間を1年延長することが、4月30日に出資者に伝えられました。
なお、セットでコケることがほぼ確定のⅠ-1期ですが、運用期間は2026年4月30日のままでサイトには表示されています。
わかちあいの情報発信の問題点
ここからは今回のわかちあいファンドの一連の情報発信の問題点を見ていきます。
対応と情報発信の遅さ
大樹2~5期の分配の遅れが出資者に知らされたのは、分配予定当日の4月15日です。
分配の遅れが確実なことは前から分かっていただろうに、当日になるまで知らされませんでした。
また、大樹2~5期が1年間の運用延長になることが知らされたのは、運用終了の3月31日から1カ月経った4月29日です。
さらに、大樹6期は運用期間を1カ月延長するのに合わせて利回りを8%から12%に上げましたが、延長から1週間経っても応募は数%しか上がりませんでした。
不成立になることはほぼ確実だったのに、募集期間終了まで何ら動くことはなかったのです。
わかちあいの対応は一貫して遅いと言わざるを得ません。

分配当日はマズイよね。
疑念を抱かせる発信内容
大樹2~5期の分配遅れを伝えるメールには遅れの理由として「旧軽井沢シリーズ全体の最終調整に想定以上の時間を要しております。」とありました。
しかし、本当の理由は大樹6期で資金調達できなかったことであるのは誰の目にも明らかです。
同じく大樹2~5期の償還遅れではその理由を「資材調達遅れによる建築工事遅延に伴い」としていますが、これも大樹6期不成立が真の理由でしょう。
わかちあいは正直に説明しているのか?、疑念を抱かせる内容です。

言い繕っている感が…
さらに、大樹6期の利回りを8%から12%に上げた理由です。
対象エリアにおける実需ニーズの高まりや価格水準の高騰化を背景に、販売価格について当初想定を上回る水準での設定が合理的であるとの判断に至っております。
予定よりも高く売れる、だから利回りを上げる。
これを読んで大樹2~5期の出資者はどう思うでしょうか?
予定より高く売れる状況ならば6期の募集などせずに、当初予定の価格で売却して2~5期を償還すれば良いじゃないか。
5期の募集時には「竣工前の売却で償還時期が1~2カ月早まる」かもと言っていたのだから、割安ならば竣工前でもサクッと売れるだろ。
6期が不成立になったのだから、今こそ予定価格で売ってしまえよ。
それができないということは、12%に上げたときの説明はウソなのか?
そう疑われても何ら反論できないでしょう。
反感を買いかねない発信内容
4月28日の大樹2~5期の分配、償還遅延を出資者に伝えたメールには、遅れの原因を「対象不動産の建築および売却事業の進捗遅延」としていました。
実際の原因は大樹6期で償還原資を集められなかったことであり、それを分かっている出資者は反感を抱いたでしょう。
また、同メールには次の一文があります。
皆様の利益を最優先とし、当初の予定通りの償還を実現すべく最後まで売却の可能性を追求していた結果として、皆様へのお知らせが遅れ、多大なるご迷惑とご心配をおかけしておりますこと、心よりお詫び申し上げます。
投資家のためだと言わんばかりで、言い訳がましい、恩着せがましいと感じた出資者もいたのではないでしょうか。

散々待たせた挙句に。
契約との整合性への疑念
契約面での問題もあります。
大樹2~5期の運用が延長されたのは、運用延長の事前通知期限をすぎたあとです。
成立前書面では事前の通告を運用延長の必須条件と定めています。
本契約の契約期間内に対象不動産全部の売却等が完了しない場合には、本事業者は、本契約の契約期間の満了日の3カ月前までに事業参加者に書面又は電磁的方法により通知をすることにより、1年を超えない範囲で本契約の契約期間を延長することができます。
プチ解説 成立前書面とは?
3カ月前までに通知を行っていない大樹2~5期の運用延長は契約への明確な違反です。
同様に運用期間をすぎている東近江Ⅰ-1期ですが、こちらも事前通知期限をすぎているので運用期間の延長はできません。
わかちあいは東近江Ⅰ-1期についても契約違反の運用期間延長をするのでしょうか?
このような運用は業者への信頼を著しく損ねるものです。
箝口令への反発
4月28日の大樹2~5期の出資者への分配、償還遅延連絡のメールには「SNSへの転載を禁止」する旨がありました。
事実上の箝口令です。
みんなの大家さんやヤマワケエステートの一件で、情報を出さないことへの不信感、批判が高まりました。
逆に利回り不動産は不都合な情報を積極的に出すことで好感度を上げています。
投資家は情報開示を支持しており、開示しない業者に対して批判的です。
そんな昨今の空気の中、SNSに転載するなと言われて反発する投資家もいたでしょう。
少なくとも誠意を感じさせる対応ではありません。

口封じだよね。
対応の雑さ
大樹2~5期の運用期間が1年延長となることが出資者に知らされたのは4月29日です。
しかし、わかちあいサイトでの2~5期の運用期間の表示は、前日の4月28日の時点で2027年3月31日に変わっていました。
出資者に知らせる前にサイトでの表示を変更しています。
出資者にすれば「なんで勝手に変わってるの!」となるでしょう。
クリアでない運営体制
大樹、東近江についてわかちあいサイトの「お知らせ」での情報発信は、4月29日付の6期不成立と2~5期遅延に関するものだけです。
4月15日の大樹2~5期の分配2週間遅れ、4月29日の大樹2~5期の運用1年延長は出資者にしか発信されていません。
東近江案件については一切発信なしです。
さらには箝口令。
大樹6期は不成立後、募集画面を見られない状態に。
大樹以外も含めて過去の案件の成立前書面はすべて非公開。
これでは情報公開に消極的な隠蔽体質と思われても仕方ないのではないでしょうか。

情報公開に消極的なのは明らかだよ。
情報発信の失敗で信頼を失った
今回の情報発信の失敗でわかちあいは投資家の信頼を大きく損ねたと思います。
投資家は不安になって当然
償還が遅延になると、投資家には資産を失う可能性が生じます。
不安になって当然です。
誠意からであろうと商売上の打算からであろうと、投資家の不安に寄り添った対応が求められます。
求められる情報発信
では、不安に寄り添った対応とは何か?
状況が分からないから不安になるわけであり、不安の解消には状況の説明が必要となるでしょう。
具体的には以下の3点です。
- これまでの経緯
- 今後の見通し
- 分配と償還の見込み
情報を隠すメリットはない
業者として都合の悪い情報を表沙汰にしたくない気持ちは分かります。
しかし、情報隠すことにメリットはなく、むしろマイナスです。
そもそも、なぜ大樹6期は応募が集まらなかったのか?
5期で終了と言っていたのに6期になった、話が違う。
わかちあいへの不信感がわずかながら湧いていた。
そこへ6期募集期間の延長、8%から12%への不自然な利回りアップ。
4月15日分配当日の分配遅れの連絡。
SNSへの転載禁止。
知らないうちに2~5期の運用期間の表示変更。
情報を積極的に出さないことで、わかちあいへの不信感が短期間で高まってしまったのです。
悔やまれる対応の悪さ
もっと早い段階で情報を出していれば。
遅くとも大樹6期の不成立が確定した4月28日に、これまでの経緯と今後の見通しをサイトの「お知らせ」で公開する。
そして、ゴールデンウィーク中も問い合わせに対応し、ゴールデンウィーク明けに主な問い合わせへのFAQをサイトに掲載する。
そうしておけば、少なくとも誠意は伝わり投資家の反応は変わったのではないでしょうか?

逆のことをしちゃったよね。
SNSでの発信なし
もう一つ残念に思うのは、Xのわかちあい公式アカウントが一切発信しなかったことです。

わかちあい公式は他の不動産クラファン公式に比べて活発に発信していました。
それなのに一番情報が欲しい時に沈黙してしまった。
それまでが雄弁だっただけに、何か発信できなかったのか?
もちろんこれは中の人個人の責任ではありません。
しかし、この問題が解決して発信を再開したとしても、もう以前と同じようには見てもらえないでしょう。
7年前から地道に育ててきたアカウントの価値を大きく下げてしまい、本当に残念です。
業者としての信頼を失墜させた
本来ならば大樹案件、東近江案件という個別の案件のトラブルで済ませることができたはずの事案。
それなのに情報発信の仕方を間違ったがために、業者としての信用を低下させてしまった。
地元密着の手堅い業者として良いイメージを持つ投資家が少なくなかっただけに、かわいさ余ってで一気に信頼を失墜させてしまった。
今後の案件の募集に影響が出ることは避けられないでしょう。
投資家は見ている
我々クラファン投資家は愚かです。
鼻先にアマギフを釣らされたら尻尾を振って出資する愚かな投資家です。
しかし、我々は見ています。
業者が何をしているか、我々は見ています。
もちろん見えていない部分のほうが多いですが、それでも見ている。
そして、気づいた誰かが声を上げます。
狭いコミュニティであるがゆえに、その声は他の投資家に必ず届きます。
都合の悪い事実を隠し通すことはできません。
クリアな運営を望みます。

積極的な発信を!



















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