出来すぎた話を真に受けていませんか?
ソシャレン、不動産クラファンでは出来すぎた話が出てくることがあります。
そのまま信じると投資で大失敗を犯すことも。
2018年に起きたトラストレンディング事件を例に解説します。

出来すぎた話に要注意です!
ソシャレン、不動産クラファン、全業者リストです!

タップできる目次
出来すぎた話には注意が必要

トラストレンディング事件
公共事業案件を扱う高利回り業者

トラストレンディングはエーアイトラスト株式会社(現 AI株式会社、以下、エーアイ社)が運営するソーシャルレンディングです。
2016年に運営を開始し、公共事業関連の案件を扱う唯一の業者でした。
10%を超える高利回りで人気を集めた業者です。

プチ解説 案件とは?
プチ解説 業者とは?
プチ解説 利回りとは?

逆に怪しくない?
公共事業で安全性をアピール
そう思うかもしれませんが、トラストレンディングの案件の多くは安心感のある公共事業関連のもの。
例えば、新東名案件の借り手は「国土交通省とNEXCO中日本が発注する工事」を下請けする建設会社でした。

プチ解説 借り手とは?

発注元が国交省。
他の案件でも説明文には信頼性が高いと思わせるキーワードの数々。
今回、本借入人は元請負会社を経由して、国土交通省及びNEXCO東日本を発注者とする東京外かく環状道路関係の工事を受注しております。
放射性物質を取除く技術は、政府の基本方針に沿った内容で且つ放射性廃棄物の処分・処理に関する専門機関(原子力関連の公益財団法人)により有効性と実現性が充分に検証された方式が採用されます。
案件説明の画像には省庁や地方自治体、大手企業などがズラリ。


公共事業を前面に出すことで安全性をアピールしていたのです。

安全だと思っちゃうかも。
天下り官僚で信用を演出
さらにエーアイ社の取締役には多くの天下り官僚が就任していました。
財務省に国交省、防衛省まで。(2018年5月当時)
| 役職 | 氏名 | 出身 |
|---|---|---|
| 専務取締役 | 山田 某氏 | 財務省 |
| 取締役 | 川崎 某氏 | 財務省 |
| 取締役 | 古谷 某氏 | 財務省 |
| 取締役 | 山本 某氏 | 国土交通省 |
| 取締役 | 渡邉 某氏 | 防衛省 |
| 監査役 | 園田 某氏 | 財務省 |
元官僚が多数在籍しており、省庁と結び付きがあると信用を演出。
「高利回り+公共事業+天下り官僚」で多くの投資家の人気を博し、3千人以上の投資家が出資したのです。
プチ解説 出資とは?
安全性と信用は虚像だった
しかし、トラストレンディングが演出した安全性と信用は虚像でした。
公共事業案件の多くが架空のものだったのです。
上述の新東名案件では借り手の建設業者が工事を受注した事実はなし。

福島原発関連の除染案件では、環境省が発注元とされる除染事業自体が存在せず。

しかしながら、高速道路事業については本借入人Aにおいて工事受注がされていないこと、除染事業については事業自体が存在しないことが検査において認められている。(2019年3月8日 関東財務局による行政処分発表)
さらに、2018年10月に取締役に就任した財務省出身の山本幸雄氏が、架空案件に絡み15.8億円を着服していた事実まで発覚したのです。
その結果、平成29年2月から同30年11月までの募集総額約52億円のうち、少なくとも約15億8千万円が、各ファンドの案件紹介等に中心的な役割を果たしていた山本幸雄取締役が実質的に支配する法人に流出していた。(2019年3月8日 関東財務局による行政処分発表)

ひどい…
行政処分で営業停止に
ほとんど詐欺といってもよい極めて悪質な内容。
2018年12月に金融庁から業務停止命令、翌年3月には第二種金融商品取引業の登録取消の行政処分が下り、トラストレンディングは事実上の営業停止状態に至りました。
2.このため、本日、当社に対し、下記(1)については金融商品取引法第52条第1項の規定に基づき、下記(2)については同法第51条の規定に基づき、以下の行政処分を行った。
(1)登録取消し
関東財務局長(金商)第2601号の登録を取り消す。(2019年3月8日 関東財務局による行政処分発表)
52億円に上る投資家被害が発生
一連のトラブルで償還遅延となった投資家の元本は総額52億円に上ります。
被害に遭った投資家140人超が起こした訴訟では、2025年1月に投資家勝訴の判決が。
しかし、被告14人が控訴したため、事件はまだ終わっていません。
仮に高裁、最高裁で投資家が勝訴しても、エーアイ社が52億円を弁済できる可能性は極めて低いでしょう。
プチ解説 元本とは?

投資家の全損で終わり…
出来すぎた話にはウラがある
ここからはトラストレンディング事件から得られる教訓を考えます
公共事業+天下り官僚で投資家が安心
なぜ投資家はトラストレンディングで投資してしまったのか?
大きな理由は公共事業+天下り官僚への安心感でしょう。
公共事業だし、国交省やNEXCOも関与しているし、天下り官僚が取締役だし。

安全だ、信用して大丈夫だと思い投資してしまった。
当時の掲示板やSNSではそういう声が少なからず見られました。
出来すぎた話だった
しかし、トラストレンディングの「公共事業+天下り官僚」は話が出来すぎでもありました。
公共事業だから安心って、ベタすぎますよね。

それに、天下り官僚が公共事業を引っ張ってこられるのか?
そんな大物官僚を一介のソシャレン業者が何人もスカウトできるのか?
「公共事業+天下り官僚」はあまりにも出来すぎた話だったのです。
出来すぎた話に投資家が騙された
そして上述の通り、実際には案件の多くが架空のものでした。
公共事業は存在せず、天下り官僚の多くはお飾りだった。
被告となった天下り官僚の一人は、裁判で「実務には関わっていなかった」と供述しています。

安心アピールに利用された。
「公共事業+天下り官僚」は投資家を安心させるための演出だった。
それに投資家がまんまと騙されてしまったのです。
出来すぎた話を真に受けていないか?
そんな安易な手に引っかかってバカだなぁと思うかもしれません。
しかし、我々も同じようなことをしてはいないでしょうか?
系統用蓄電池は国が注力している分野だ。
インバウンドで多くの宿泊利用が見込まれる。
AIの活用でデータセンターの需要が高まっている。
業者が語るよくできた話を真に受けていませんか?
出来すぎた話への対策
業者は投資家から資金を集めたい。
投資家が応募したくなるようにアピールするのは当然のことです。
多くの業者はマジメにやっていますが、悪意のある業者がいる可能性はゼロではありません。
出来すぎた話で騙そうとする業者が出てこない保証はないのです。

どうすれば良いの?
我々投資家に求められるのは常に疑ってかかる姿勢でしょう。
業者の言っていることは本当なのか?
出来すぎた話はウソではないのか?
常に疑ってかかるべきです。
性善説で資産は守れません。

真に受けたらダメです!



















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