ソーシャルレンディングのバンカーズで2023年にガイア案件延滞事件が発生しました。
2024年9月に終了するまでの顛末を記録として残します。

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ガイア案件延滞事件の顛末

ガイア案件で延滞発生
ガイア案件とは?

ガイア案件はパチンコ大手のガイアを借り手とする案件です。
2023年6~7月にバンカーズで募集が行われました。
7案件の募集が2回に分けて行われ、募集総額は17億5千万円でした。
| 案件名 | 募集日 | 募集額 | 利回り | 運用期間 |
|---|---|---|---|---|
| 1-1 | 6月24日 | 60,000万円 | 6.90% | 6カ月 |
| 1-2 | 6月24日 | 25,000万円 | 7.05% | 9カ月 |
| 1-3 | 6月24日 | 20,000万円 | 7.20% | 12カ月 |
| 1-4 | 7月9日 | 15,000万円 | 6.75% | 3カ月 |
| 1-5 | 7月9日 | 15,000万円 | 6.90% | 6カ月 |
| 1-6 | 7月9日 | 20,000万円 | 7.05% | 9カ月 |
| 1-7 | 7月9日 | 20,000万円 | 7.20% | 12カ月 |
| 合計 | 175,000万円 |
プチ解説 案件とは?
プチ解説 利回りとは?
プチ解説 運用期間とは?
ガイア倒産で延滞に
しかし、最初の募集から4カ月後の2023年10月30日にガイアが民事再生法の適用を申請。
10月20日に償還済みだった1-4を除く6案件が延滞の危機となったのです。
| 案件名 | 償還予定日 | 出資額 |
|---|---|---|
| 1-1 | 2024年1月31日 | 60,000万円 |
| 1-2 | 2024年4月30日 | 17,740万円 |
| 1-3 | 2024年7月31日 | 20,000万円 |
| 1-5 | 2024年1月31日 | 15,000万円 |
| 1-6 | 2024年4月30日 | 19,980万円 |
| 1-7 | 2024年7月31日 | 20,000万円 |
| 合計 | 152,720万円 |
プチ解説 償還とは?
プチ解説 延滞とは?

運用期間3カ月の1-4は逃げ切れた。

やっぱり短期が安全よね。
保全は担保と連帯保証
事実上の倒産となったガイアに返済能力はないので、保全で融資を回収するしかありません。
ガイア案件では担保と連帯保証が設定されていました。
連帯保証はガイアの関係会社10社と個人によるものでしたが、ガイアと関連会社6社が倒産していたので保証は期待できません。

プチ解説 保全とは?
プチ解説 保証と連帯保証とは?
プチ解説 担保とは?
担保はガイアの関係会社であるトポスエンタープライズが所有する借地権付き建物でした。
ガイアへの融資実行と同時に、バンカーズを第一順位とする根抵当権が設定されています。
バンカーズが最優先で物件を処分して融資を回収できるということです。


それで回収できるの?
担保評価額は25億円
それは担保評価額によります。
ガイア案件では「担保保全率が142.85%を下回らない範囲内で融資」との付記がありました。

上の画像の小さい文字の内容から「担保保全率=担保評価額÷融資額合計≧142.85%」。
7案件の融資予定総額は17億5千万円でしたので、担保評価額は25億円以上ということになります。
- 担保評価額÷17億5千万円≧142.85%
- 担保評価額≧142.85%×17億5千万円=25億円
売却できれば回収可能
6案件の出資総額=拘束されているお金は15億2,720万円ですので、担保を売却できれば回収は可能でしょう。
ただ、担保が土地の所有権がない借地権付き建物であるのが微妙なところ。
いずれにせよ問題解決には一定の時間がかかることが予想されました。

心理的にキツイよね…
Jトラストグループがガイア再建へ
Jトラストが支援に名乗り
ガイアが民事再生法の適用を申請した2023年10月30日、東証スタンダード上場のJトラストが、ガイアとの間で再建支援の基本合意書を締結(PDF)しました。

Jトラストはガイアが数年前に経営不振に陥った際に支援しており、子会社がガイアへの融資、不動産の賃貸もしていたためと思われます。
基本合意書の締結にあたり、ガイアが再生計画案を4カ月以内に提出するとしました。
KeyHolderがトポス支援に
翌2024年1月26日、Jトラストの子会社で東証スタンダード上場のKeyHolderが、トポスエンタープライズの民事再生支援に当たる(PDF)ことを発表しました。

KeyHolderはエンタメ事業(ライブ、イベントなど)を行っており、トポス(運送業、倉庫業)の物流倉庫、運送用車両などを活用するのが狙いとしています。
ガイア案件の担保を所有するトポスの再建をKeyHolderが支援することになりました。
融資を回収し終戦へ
早期から回収作業を開始
一方のバンカーズの動きです。
ガイアは民事再生申請前の2023年9月30日に1回目の不渡りを出していました。
これを受けてバンカーズは10月6日に競売申立書を裁判所に提出しています。
その後も早め早めに動いていたようです。
KeyHolderが担保権を買取
トポスの再建を支援することになったKeyHolderですが、バンカーズに対して担保権の買取を申し出てきました。
トポスは借地権付き建物を所有していますが、これにはバンカーズの担保権が付いています。
バンカーズが担保処分で建物を売却できる状態です。
そのままではKeyHolderが建物を買い取っても勝手が悪い。
そこで、バンカーズから担保権を買い取りたいということです。

完全に自社の物件にしたい。
ただ、当初の申し出は条件が良くないものだったため、バンカーズは申し出を拒否。
その後、KeyHolderが譲歩し、担保権を15億4,800万円で譲渡する契約を2024年1月26日に締結しました。
15億4,800万円は同日、バンカーズ側に入金されています。

お金が戻ってくる!
元本を償還
ただ、この譲渡契約には同年8月21日までの買い戻し請求権が付いていました。
同日まではKeyHolderがバンカーズに対して担保の買い戻しを求めることができます。(KeyHolderがバンカーズに担保を返し、バンカーズがKeyHolderに15億4,800万円を返す)
このため、1月26日に入金があったものの8月21日までは償還できず、投資家には9月9日に入金が行われました。

元本が戻ってきた。
分配も実施
元本の償還だけでなく分配金の支払いも行われました。
もともとの予定利回りには及びませんが、2.38%~2.76%で分配が行われています。

プチ解説 分配金とは?
ガイア案件の評価
損失ゼロでの終戦は評価
ガイア案件でのバンカーズの対応への評価です。
まず、つぶれるような会社に融資したことは、借り手の見極めという点でバンカーズに落ち度があったと思います。
また、融資回収の実現にはJトラストの登場というラッキーな面もあったでしょう。
とは言え、倒産絡みの案件で元本を全額償還し、さらには分配まで実現させたことは評価されて良いのではないでしょうか。

損失ゼロで終戦させた。
ソシャレンは貸し倒れ発生を前提に
次にガイア案件から我々投資家が学ぶべきことを考えます。
ソーシャルレンディングの本質は貸金業という一定の確率で貸し倒れが発生する商売です。
ソシャレンでは貸し倒れが発生する。
ガイア案件はそれが現実になっただけで、決して特殊なケースではありません。
ソーシャルレンディングでは貸し倒れになることを前提とした投資判断が求められるでしょう。

以上です!


















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